古代ローマの繁栄を象徴するテルマエ(公衆浴場)と日本の入浴文化を紹介する「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」が、4月6日(土)~6月9日(日)まで、パナソニック汐留美術館で開催されます。

この展覧会は、日本における古代ローマ研究の第一人者である青柳正規氏と芳賀京子氏の監修と、マンガ『テルマエ・ロマエ』で知られるヤマザキマリ氏の協力により、古代ローマの人々の生活を入浴文化を中心に紹介する巡回展。すでに2023年9月9日~11月5日に山梨県立美術館、同11月25日~2024年1月21日に大分県立美術館で好評を博し、満を持しての東京開催となります。東京の次は6月22日(土)~8月25日(日)に神戸市立博物館で開催予定です。

イタリア・ナポリ国立考古学博物館から来日した貴重な絵画、彫刻、考古遺物などをはじめ、CG映像や模型などを通して、『テルマエ・ロマエ』で描かれた古代ローマの人々の生活や入浴文化に思いを馳せるとともに、日本の入浴文化を伝える美術品や資料を通して、独自に発展したお風呂文化の歴史や魅力を再認識してみませんか。

 

【見どころ】

序章 テルマエ/古代都市ローマと公共浴場

ローマで最初のテルマエは紀元前25年に建設され、今も遺構が残るカラカラ浴場(216年)やディオクレティアヌス浴場(302年頃)などの遺構からは、当時の優れた技術がうかがえます。

《カラカラ帝胸像》
212~217年 大理石 ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

第1章 古代ローマ都市のくらし

地中海に勢力を拡大して莫大な富を手に入れた古代ローマでは、一部の特権階級と大衆の格差が広がり、大衆の不満解消のために行われた食糧や娯楽の提供などの施策の一部として、テルマエは大きな役割を担うことに。

《ヘタイラ(遊女)のいる饗宴》
1世紀 フレスコ ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

第2章 古代ローマの浴場

自然の温泉や医療目的の入浴施設などを、大衆の娯楽のための公衆浴場に発展させた古代ローマの高度で洗練された技術力がうかがえる工芸品や入浴道具などを紹介。

《入浴道具》
1世紀 青銅 ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

《アポロとニンフへの奉納浮彫》
2世紀 大理石 ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

《金製指輪》
1世紀 ベリル(緑柱石)、金 国立西洋美術館 橋本コレクション蔵
Photo © 上野則宏

 

《ライオン頭部形の吐水口》
1世紀 青銅、テラコッタ ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

第3章 テルマエと美術

美術品を間近に見ることができる場でもあったテルマエに飾られた大理石彫刻などを紹介。

《恥じらいのヴィーナス》
1世紀 大理石 ナポリ国立考古学博物館蔵
Photo © Luciano and Marco Pedicini

 

第4章 日本の入浴文化

各地の温泉、身近な銭湯、近年注目のサウナなど、日本の入浴の歴史や文化を紹介。

歌川国貞(三代歌川豊国) 《江戸名所百人美女 御殿山》
安政5年(1858) 木版色摺
ポーラ文化研究所蔵 
※展示期間:4月6日(土)~4月30日(火)

 

《花王石鹸》 明治23年(1890)発売 石鹸、木箱
花王ミュージアム蔵

 

【関連イベント】

●テルマエ展スタンプラリー
東京都浴場組合に加盟する約440軒の銭湯で配布する「テルマエ展スタンプラリー」の台紙に、異なるスタンプを2個集め、テルマエ展を鑑賞後にもらえるパナソニック汐留美術館のスタンプと合わせて3個のスタンプを集めた先着200名の方に、ミュージアムショップでオリジナルステッカーを進呈します。

スタンプラリー台紙は本展の入館料の割引券付き

 

●ヤマザキマリ氏×青柳正規氏トークショー
講師:ヤマザキマリ氏(漫画家、文筆家、画家) 
青柳正規氏(本展監修者、山梨県立美術館館長)
日時:4月6日(土) 14時~15時半(開場13時半)
定員:150名(要予約) 申込方法はこちら
聴講費:無料(※本展の観覧券が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール

●講演会「テルマエと美術」
講師:芳賀京子氏(本展監修者、東京大学大学院教授)
日時:5月11日(土) 14時~15時半(開場13時半)
定員:150名(要予約) 申込方法はこちら
聴講費:無料(※本展の観覧券が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール

●学芸員によるスライドトーク「展覧会のツボ」
本展の担当学芸員が、展覧会の見どころや作品を紹介
日時:4月20日(土)、5月24日(金)15時~15時半
定員:先着50名(予約不要)
聴講費:無料(ただし本展の観覧券が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル5階ホール

●記念品プレゼント
先着200名に展覧会オリジナルポストカードを進呈
4月26日(金)・5月26日(日)
5月18日(土)国際博物館の日

●ジュニアガイド
小学生を対象に、本展の鑑賞をサポートするワークシートを展覧会入口で配布

 

【展覧会概要】
「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」
公式サイト:https://thermae-ten.exhibit.jp/
■会期:2024年4月6日(土)〜 6月9日(日)※会期中、一部展示替え
前期:4月6日(土)〜5月7日(火)/ 後期:5月9日(木)〜6月9日(日)
■会場:パナソニック汐留美術館 https://panasonic.co.jp/ew/museum/
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
■アクセス:JR新橋駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分、都営大江戸線汐留駅より徒歩約5分
■開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※5月10日(金)、6月7日(金)・8日(土)は20時まで開館(入館は19:30まで)
■休館日:水曜(※6月5日は開館)
■入館料:一般1,200円、65歳以上1,100円、大学生・高校生700円、中学生以下 無料
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料
■主催:パナソニック汐留美術館、朝日新聞社
■後援:イタリア大使館、港区教育委員会、東京都浴場組合
■協力:ヤマザキマリ