東京都浴場組合の広報委員会では、毎月、顧客満足度を上げるための方策や集客のためのイベント企画案の検討などが行われている。これまでに「ゆっポくんスタンプラリー」や「こんぶ湯」などの企画を実現させてきた。

以前、香りと入浴の関係について、銭湯で元気!(57)「香りと入浴のちょっといい関係」でも紹介したが、入浴以外でも、銭湯で香りの力をもっと活用できるのでは?という妙法湯(豊島区)の柳澤幸彦氏の声がけで、11月中旬、顧客への新しいアプローチとして、「アロマ(香り)」の勉強会が開かれた。

柳澤氏は、すでにロビーと脱衣場でディフューザー(芳香拡散器)を使用しているほか、アロマオイルやスプレーの販売を行うなど、アロマ製品を導入している。

そこで「アロマ+銭湯」によって銭湯を快適にしていくことを検討することになり、すでに様々な領域で実績のあるアロマ関連の3社が参加して、広報委員会のメンバー約10名に、アロマが持つ魅力についてのレクチャーが行われた。

勉強会では、アロマによる「不快臭対策」「銭湯のイメージアップ」「リラックス効果」によるリピート率の向上、除菌やインフルエンザ対策、リラックス効果、オリジナルブレンドのアロマによる銭湯のブランディング、香りによるイメージアップなどについて、三者三様の事例の紹介や銭湯に向けた提案がなされた。その間も会議室は心地よい香りで満たされ、銭湯経営者たちも、その香りを楽しんだ。

柳澤氏は、「アロマは、抗菌・殺菌などの効果が期待できることから病院や介護施設で導入されているほか、リラックス効果やラグジュアリー感が得られることから空港、ホテル、百貨店などでも数多く取り入れられています。うちの店(妙法湯)でも女性客を中心に好評です。香りの大切さに早くから着目していた銀座の金春湯さんは6年前から導入していて、すっかりお店の売りになっています。香りを拡散する機械のメンテナンスは手間がかからず費用対効果も高いので、銭湯でも導入しやすい。ぜひ多くの銭湯でアロマの導入を検討して、お客さんの満足度アップにつなげてほしい。」と、銭湯での普及に期待を寄せる。

若年層の銭湯利用者が増えている今、銭湯の魅力をさらにアピールする手段として、アロマの持つポテンシャルの高さを確認した今回の勉強会。今後新たな企画が始動予定。どうぞお楽しみに。