【最終更新日 2020年6月1日】2020年6月1日現在の各銭湯の状況に合わせて原稿の一部を修正しました。
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、多くの業種や施設に休業要請が出されているが、銭湯はその対象に含まれていない。公衆浴場法に「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設」と定義されており、地域住民にとって社会生活の維持に必要なライフラインであることが考慮されたためだ。
都内のほとんどの銭湯ではお風呂を必要とする人のためにできる限りの感染予防対策を行って営業を継続中だ。このシリーズでは具体的にどのような感染対策を行っているのか銭湯経営者に話を聞く。
「銭湯経営者に聞く 新型コロナウイルス対策について その1」はこちら
「銭湯経営者に聞く 新型コロナウイルス対策について その2」はこちら
◆年中無休を短縮営業+週1休みに変更/文京区・ふくの湯 村西将明
うちでは年中無休のところを短縮営業+週1休みに変更し、フロントにアクリル板を設置しました(※6月1日より通常の営業時間に戻りました)。風通しがよくなるよう入り口の暖簾を半分に短くし、アルコールスプレーを置いています。
入浴客数は3割ほど減少しており、この先右肩下がりになるであろうことは容易に想像できます。
ありきたりな対応しかできておりませんが、余った時間を有効活用し、今まで以上に清掃に力を入れて、いつでもお客様が戻ってこられるよう準備しています。
フロントにはアクリル板でガードを設置
年中無休だった営業スタイルは一時的に変更(※6月1日より通常の営業時間に戻りました)
人の手が触れる場所は念入りに消毒
消毒用アルコールをフロントに設置
◆込み合う夕方を避けて来店するようにお願い/江戸川区・第二寿湯 鴫原(しぎはら)和行さん
コロナ騒動でお客さんは約1割減です。ファミリー層の来店が減りましたね。長居する方が減った結果、飲料の売り上げは激減しました。
近辺に銭湯がないことと、公衆衛生を守るという本来の銭湯の意義を考慮して、営業時間や休日の変更はしておりません。ただ、込み合う16時~18時の来店をずらしてもらうために声掛けをしているほか、3密解消のポスターや張り紙の掲示で注意を促しています。
消毒は拭き掃除に力を入れ、手指の消毒にも協力してもらっています。従業員はマスク着用です。
そのほか、おしゃべりを減らしてもらうため、椅子の数を減らしました。「ルールを守らない人は入店禁止」の貼り紙もしましたが、今のところ苦情は出ていません。みなさん、気にしているのかどうかもわかりませんが……。
コロナ対策はどこの銭湯も苦労していますが、我々の生業ですからね。踏ん張り所です。
ロッカーの上にも手指用の消毒スプレーを設置
ロッカーの中も消毒している
新型コロナウイルスの影響により銭湯は「地域住民の公衆衛生を守る」という原点に戻り、お風呂を必要とする利用者のために対策をとりながら懸命に営業を続けている。利用者も銭湯を訪れる際には東京都浴場組合からの案内を確認の上、ご協力をお願いしたい。
■新型コロナウイルスを含む感染症対策の基本は「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」です。下記の案内をご確認の上、銭湯へお出かけください。