戦前に建てられた貴重な宮造り銭湯で、映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地としても知られる北区滝野川の稲荷湯が、国の登録有形文化財(建造物)に指定されたことが、今週3月10日発行の広報「北区ニュース」で報じられた。赤羽駅の西側にある「旧赤羽台団地」とともに、2019年12月5日に指定された「北区の誇る登録有形文化財」として大きく取り上げられている。都内の銭湯としては、台東区の燕湯に続く2軒目の登録有形文化財となる。
指定を受けて、稲荷湯の女将・土本公子さんは「戦火を逃れた稲荷湯を大事に続けていきたいです」と話した。
大正時代に創業した稲荷湯は、昭和5(1930)年に建て替えられた浴場・主屋と、従業員の住居として使われていた長屋で構成されている。銭湯の正面は入母屋(いりもや)造りの上に破風屋根を二段重ねた特徴的な意匠の宮造り銭湯で、戦前の東京銭湯の特色を伝えている。戦災から奇跡的に免れ、戦前の面影が残る周囲の街並みとともに、今も現役の銭湯として地域の人々の交流の場として親しまれていることから、世界中の文化遺産の保存活動に取り組んでいるワールド・モニュメント財団により、2020 年版「文化遺産ウォッチ(緊急に保存・修復などの措置が求められている文化遺産)」にも選定されている。関連記事はこちら
【DATA】
稲荷湯(北区|板橋駅)
●銭湯お遍路番号:北区 29番
●住所:北区滝野川6-27-14
●TEL:03-3916-0523
●営業時間:15時~25時15分
●定休日:水曜
●交通:都営三田線「西巣鴨」駅下車、埼京線「板橋」駅下車、いずれも徒歩6分
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