2019/03/11

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銭湯で入浴中の災害発生を想定した避難や消火を訓練する「防災銭湯」が、3月11日(月)、足立区の曙湯で開催された。訓練には足立区内の銭湯経営者や一般参加者ら34人が参加し、入浴時の地震対策などを学んだ。

この訓練は銭湯を紹介するサイト「銭湯・奥の細道」を運営する原沢聡志さんが、「あだち銭湯文化普及会」(足立浴場連合会、銭湯もりあげた~い)とともに主催し、足立消防署の協力を得て実施された。

原沢さんは東日本大震災や熊本地震などの大災害で被災した銭湯を調査し、銭湯の災害対応マニュアルを作成した経験から、これまで大阪、兵庫、三重の銭湯で防災訓練を行う「防災銭湯」を企画。東京では今回が初めての試みとなった。

訓練は東京都足立区を震源とする震度6の地震が発生した、と想定。入浴客に扮した参加者が着衣のまま浴室にいるなか、災害発生を知らせる非常ハンドベルが鳴り響いた。すぐに「地震です。頭に桶をかぶってください」と従業員が声をかけると、参加者は風呂桶を頭にかぶり、しゃがみこんで身を守った。

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桶で頭を守る参加者

 

続いて曙湯の経営者や従業員がタオルやマットを床に敷いて避難経路を確保。参加者は浴室から脱衣場、外へ避難する一連の流れを体験した。3月11日は、8年前に東日本大震災が発生した日とあって、参加者の行動は真剣そのものだった。

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バスタオルを敷いた避難路を通り外へ向かう参加者

 

曙湯の経営者で足立浴場連合会 会長を務める森山篤さんは「避難通路に敷くバスタオルやマットはかさばるので運ぶだけでも大変。お客さんの手も借りないといけないことがわかった」と訓練を振り返った。
主催者の一人、原沢さんは「今回は銭湯経営者の参加率が高く防災意識が高いことに驚いた。今日の訓練を元に、経営する銭湯にあわせた防災訓練をしてもらえたら」と話した。 また、訓練に参加した足立消防署の長島一之さんは「地震発生時、経営者は利用者のパニックをとめることが大事。また、蛍光灯、ガラス、タイルが割れて飛散することが考えられるのでマットやバスタオルを活用してほしい」と語った。

足立浴場連合会と足立区は、震災を始めとした災害発生時には井戸水を提供する協定を結んでおり、被災者支援を担うことも期待される。

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曙湯経営者の森山篤さん

 

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水が出る消火器を使った消火訓練も行われた