銭湯のペンキ絵を描く絵師・丸山清人さんが立川市立第六小学校(羽衣町)の児童の依頼を受けて作成した手ぬぐいのお披露目会が、4月21日、同校の体育館で開催された。
第六小では、前3年生(現4年生)約50人が、「総合的な学習の時間」で地域について学習する中で、銭湯に興味を持った。昨年は、羽衣町にある2つの銭湯(松見湯、美保湯)で入浴体験を行ったほか、ペンキ絵にも注目。松美湯、美保湯のペンキ絵を描いた現役最年長絵師の丸山さんを訪ねてライブペインティングを依頼し、同小の体育館で実現。銭湯をテーマにした動画制作や、創作劇なども行ったりしてきた。
さらに学習を進めるなかで、銭湯が年々減少していることを知り、多くの人に銭湯へ来てもらうきっかけにしようと、ペンキ絵手ぬぐいを制作するアイデアが生まれた。原画は丸山さんに新たに描いてもらい、オリジナルの「湯ったりあったか羽衣手ぬぐい」が完成した。
この日は手ぬぐいのお披露目とともに、児童たちがこれまでの学習成果を発表し、丸山さんへ感謝の言葉が贈られた。丸山さんは「一生懸命やっている姿に感動した。また六小に遊びに来たいね」とうれしそうに目を細めていた。
児童たちと交流を重ねてきた丸山清人さん
また、市内で「立川湯屋敷 梅の湯」を営み、このプロジェクトに参加した東京都浴場組合の佐伯雅斗(まさとし)常務理事は、「全国の浴場が注目しているプロジェクト。子どもたちの元気な笑顔を見て、少しでも喜んでもらえるように商売を頑張らないといけないと思った」と話した。
立川で銭湯を営む東京都浴場組合の佐伯雅斗常務理事
板橋宗佑君(9歳)は「銭湯に入ったことはなかったけど、このプロジェクトを進めるうちに銭湯に行きたいと思うようになった。今日はプロジェクトを達成したことで爽快感を感じた。手ぬぐいの出来は100点満点!」と元気よく答えてくれた。
また、お披露目会の途中で、東京都浴場組合公式キャラクターのゆっポくんがサプライズで登場すると、児童たちは大興奮して駆け寄り、交流を楽しんでいた。
サプライズで登場したゆっポくんに大歓声があがった
手ぬぐいは第六小学校近くのギフト店「羽衣堂」(立川市羽衣町2-6-3)で販売している。今後、立川や国立市内の銭湯や商店でも販売を始める予定。手ぬぐいは横90cm、縦35cm。入浴券付きで1500円(税込)。
(写真・文:編集部)
体育館内には銭湯に関する一連のプロジェクトが貼り出された
丸山さんの指導のもと、児童たちが描いた背景画も展示