今回は台東区日本堤「天然温泉 湯どんぶり栄湯」さんをレポートします。日比谷線「三ノ輪」駅から徒歩10分ほど、こちら台東区日本堤周辺は、昭和を代表する人気漫画「あしたのジョー」の故郷としても知られる、アットホームな雰囲気の町並みです。グルメ通、お散歩通の方だったら浅草方面から千束・吉原を通ってぶらぶらと三ノ輪へ抜け、その途中「湯どんぶり」でひとっ風呂! という楽しみ方もできますね。「オイラ、浅草に行きつけの店と銭湯があるんだけどね」なんて、ちょっと気取って言ってみたくなります(そういう時は広く「浅草」と言い切ってしまいましょう!)。
八百屋さん帰りの自転車の主婦や、賑やかに下校する小学生、作業着で一服中のお兄さん達とすれ違いながら路地を曲がると、「天然温泉」と書かれた袖看板が見えてきます。
昭和20年より「栄湯」として初代がこの地に開業、以来70余年。現在は3代目となる梅田清治郎さんご一家を中心に、毎日賑やかに営業しています。
本日この時間のフロントは清治郎さん。「いらっしゃいませ! こんにちは!」笑顔でお客さんを迎えてくれます。春夏秋はサーフィン、冬はスノーボードをアクティブに楽しみ、3児のパパでもある清治郎さん。家業に育児に趣味にと「いったい何時休んでるの!?」なんて思わず心配になってしまう「湯どんぶり栄湯」の元気な3代目です。
そんな3代目は2017年5月に大きな改修工事を実施。元々「丼モノのように多彩な種類のお風呂」があることが「湯どんぶり」という屋号の所以だったところ、さらに魅力ある新メニューが登場しました。まずはこちら、待望の「露天風呂」がドーン! とお目見えです。
以下、グルメレポート風に。
「まずはこの大きな器をしばし眺めてみる。白い湯は何だろうか? 細かい泡がゆっくり動いているようにも見える。温泉とあるが鉄分や硫黄の匂いはない。早速浸かってみよう。肌にまとわりつくシルクのような食感(いや、触感)。おおっ軟らか、とろけるような軟らかさだ。次第に身体が暖まってくると次に全身の毛穴から細かいものが沁みてくる気がする。…自分の身体は今、洗われているのか? 表皮の汚れが剥がされて潤いが沁み渡る感覚だ。これは素晴らしい湯だ! 今まで味わったことがない、なんとも見事などんぶり料理じゃないか!」
そして、浴槽奥にはゆったりくつろげる「壺湯」が2つ、鎮座しています。たっぷりのお湯が「ザッバーン!!」と溢れ出し、そう、この迫力が壺湯の魅力。「美肌成分がある天然温泉」という抜群の素材を軟水化することで、その良さを残しながらさらに不純物を取り除き、ナノファインバブルという調理法でお湯を「細かく」し、壺というダイナミックな具材を惜しげもなく合わせ、和風モダンな落ち着いた雰囲気の器で提供する。これぞ梅田シェフの丁寧なシゴトで作られた、究極の「どんぶり」に違いありません!
2017年5月のリニューアル以降、圧倒的に若い女性のお客さんが増えたとのことです。「情報に踊らされやすく、一方で本物志向が強い」と言われる若い女性層の支持を得ているのが「ヒマラヤ岩塩サウナ」です。じわじわと血行・発汗を促進し、呼吸機能の向上という効果もあるそうです。ヒマラヤ岩塩サウナのデトックス効果と美肌の湯、リピーターが続出しているのも納得! です。
他にも定番の「どんぶり」メニューには「宝寿湯」や「電気風呂」、常連さんに人気の「寝風呂」そして「ジェットエステ風呂」「ミクロバイブラ」。2階では施術士によるマッサージもリーズナブルに受けられます。これだけ揃うと若い女性だけでなく、皆さん大満足ですね。
初代はおそらく当時の銭湯では初めての「太陽光ソーラーシステム」を導入し、2代目は中普請と「湯どんぶり」という一風変わった屋号にし、アイデアと行動力の遺伝子を受け継いだアクティブな3代目も、きっと更に「新しいどんぶりメニュー」や驚くような楽しい企画をこれからも提供してくれることでしょう。
おや、そろそろ若女将さんがお姉ちゃんのお迎えに幼稚園まで出かける時間ですね。ご主人がまだ小さな妹さん(将来の栄湯看板娘かな)をおんぶしながらフロントに入ります。こんなアットホームなご家族の雰囲気も、長く地元で愛され、そして新しいファンも集まってくる理由なのかもしれません。
ファンの間では「天然温泉 湯どんぶり栄湯」へ行くことを「どんぶる」「どんぶってる」と言う人が多いそうです。ぜひ皆さんも「どんぶって」みてください!
(写真・文:銭湯ライター 佐藤明俊)
【DATA】
湯どんぶり 栄湯(台東区|三ノ輪駅)
●銭湯お遍路番号:台東区 16番
●住所:台東区日本堤1-4-5
●TEL:03-3875-2885
●営業時間:14~24時(日祝は12時~)
●定休日:水曜
●交通:東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅下車、徒歩10分
●ホームページ:http://sakaeyu.com/
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