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木曜・金曜の水風呂は12℃、月イチでシングルに!

こだわりはサウナ室だけではない。井戸水を使っている水風呂は清潔に保たれ、夏でも基本14℃と、かなりキンキンな冷たさがうれしい。また、木曜・金曜はさらに温度を下げて、男女ともに12℃という冷たさに!! そして、月に1回ランダムで、水風呂の温度がまさかの1桁台になるシングルデーまであるというこだわりよう!

水風呂は1~2人入れるサイズ

チラーで水風呂の温度をここまで下げるのは、かなりお金も労力もかかるであろうことを考えると、渡辺さんの「みんなに気持ち良く入ってほしい」という情熱に支えらえたキンキンな水風呂に涙が出そうになる。

シングルデーがいつなのかは秘密……! 直前でも教えてくれない(笑)が、何度か通ううちに、運が良ければ出会うことができるかも。

 

ととのいスペースもバラエティ豊か!

サウナ、水風呂の後に気になるのが、ととのいスペース。寺島浴場では、どこでととのうか? に3つも選択肢がある。1つ目は浴室奥の森林風呂のベンチ。2つ目は脱衣場のリクライニングチェア。3つ目は脱衣場のととのい椅子。こぢんまりとした銭湯ながら、「より満足してほしい」という渡辺さんのこだわりを、ここからも感じることができる。

まず1つ目の森林風呂については、人肌くらいのぬるめのお風呂に、森の香りがする空間。少し窓が開いているため外気を感じられるのだ。

「森林風呂」という名前ながら、海の底にいるような魚や海藻柄のタイルがかわいらしい壁にもたれてベンチに座り、時おり「プシュー!」と噴射される森林の香りに癒されながら静かにととのう……。季節によってはかなり涼しい風も感じられる、おすすめのととのいポイントだ。

さらにうれしいのは、いい感じに気持ち良くなったら、森林風呂につかって、またととのいの「延長戦」ができること。温度は季節によって変わり、夏は少し温度が下がる。少しぬるめの森林風呂につかりながらぼーっとしていると、日頃の疲れもどこかへ溶けてゆく。

脱衣場にはリクライニングチェアとととのい椅子を設置

2つ目は脱衣場のリクライニングチェア。言わずもがな、寝そべってととのえるのが最高にうれしい。脱衣場にもサウナ内と同じBGMが流れているので、サウナでお気に入りの曲が流れていたけど熱すぎて離脱、なんて時には、サウナ→かけ水→水風呂の後にこちらにすぐ来れば、曲の続きを聴けるのもうれしい。

そしてこのチェアの前に鎮座するのが、その名も「爆風扇風機」。「弱」でも全くそよ風ではなく、普通の扇風機の「強」以上では!? というかなりの爆風で、ガツンと体の熱を冷ましてくれる。「強」にしたときはもう嵐の中にいる気分(笑)。とにかく吹き飛ばされないようにご注意を!

使い終わったら忘れず電源をオフに

脱衣場に設置されたととのい椅子

そして3つ目は脱衣場の、リクライニングチェアの近くにあるととのい椅子。昭和歌謡曲やにぎわう脱衣場の声をBGMに、ぼーっとくつろぎたいときにおすすめ。

ということで、男湯・女湯ともに3ヵ所もととのえる場所があるという、なんともホスピタリティあふれる銭湯なのである。

 

女湯のサウナ、実は穴場!

女湯の脱衣場にはレトロなおかまドライヤーも

男湯のサウナは平日も行列ができるほどの人気だが、土日の19時頃など、少し落ち着くタイミングもある。空くタイミングは日によって違うものの、基本的にサウナの中は灼熱なので、回転が速く、待ち時間は少なめだ。

そして女湯のサウナは、実はここだけの話、平日夜の20時以降は貸し切りになってしまうこともあるくらい、まさかの穴場なのである……! こんなにも素晴らしいサウナと、水風呂と、ととのいスペース。これらをほぼ独り占めできてしまう時間があるなんて、ありがたすぎて申し訳ない……!

以前より女性客は増えているとのことだが、まだまだ女湯サウナは空いていることが多く、土日でも20時以降はMAXでも2~3人で、快適に入れる時間が多い。ちなみに、男女とも浴室・脱衣場のスペックがほぼ同じながら、女湯側のみ、ドライヤーはPanasonic beautyという、ちょっといいものが使える。

お住まいの地域によっては、向島まで来るのは少し時間がかかるかもしれないが、駅からは徒歩5分弱。行き帰りには向島散策はもちろん、沿線の浅草や押上にも寄ることができる。こんなにも素晴らしく、こだわりのつまったサウナにゆったり入れるなんて、サウナブームの混雑に疲れている方にとって、これ以上ない喜びでは?

ちなみに専用ロッカーは、年間1500円という、月に1回でも来られるなら借りておきたいコスパの良さ。熱いサウナ好きの女性の皆さま、ぜひとも一度寺島浴場へ足を運んでみませんか?

 

「みんなに、心地良く入ってほしい」

ジェットバスも程よい刺激で気持ちいい

寺島浴場のサウナに毎日入り続けた結果、あまみ(※)が腕からとれなくなっているというほどサウナ好きの渡辺さん。

力を入れているサウナや水風呂、ととのいスペースなどはもちろん、お風呂のみ利用のお客さんにとっても、「心地良く入ってもらえる銭湯でありたい」という熱い思いで日々営業している。

トラブルや混雑を避けるため、基本的にグループ客はお断り。友人同士で訪れる場合も、原則2名まで、3名以上はお断りするケースも多い。サウナのロウリュは15分に1回、扇風機は使ったら止める、など随所に張り紙があり、マナーを守ってもらえるお客さんを大事にしてきた。

幾度となく寺島浴場に通う筆者も、嫌な思いをするようなことは一度もなく、常連さんもみな優しく穏やかな方ばかり。いつ来ても「居心地がいい」。そんな銭湯って、とてもありがたい存在だ。また、常に「より良くしていこう。」という並々ならぬ向上心を持つ渡辺さんによって、寺島浴場は日々マイナーチェンジを続けている。

より良い熱さ、気持ち良さを求めて微調整されるサウナ。以前はなかったリクライニングチェアの導入、BGMにジャズデーの誕生、女湯側のドライヤーの進化、サウナハット用ポールのリニューアル、爆風扇風機やミラブルの導入……。来るたびに、「あ! 変わってる! すごい!」と発見がある銭湯なのだ。

「いつ来ても心地良い」
「何度来ても発見がある」

下町・東向島を温め続ける寺島浴場さん。ぜひ多くの方に、もっともっとごひいきにしていただきたい銭湯だ。
(写真・文:銭湯ライター 林田紗央莉

(※)「あまみ」とはサウナ用語の一つで、サウナ・水風呂・休憩の後、腕や足などの皮膚上に赤い斑点ができる現象のこと。


【DATA】
寺島浴場(墨田区|東向島駅)
●銭湯お遍路番号:墨田区 7番
●住所:墨田区東向島6-34-18(銭湯マップはこちら
●TEL:03-3611-6755
●営業時間:水曜・木曜・金曜 16~23時、土曜・日曜 15~23時
●定休日:月曜、火曜
●交通:東武伊勢崎線「東向島」駅より徒歩3分
●ホームページ:http://www.terajima-yokujo.com
●Twitter:@terajimayokujo

※記事の内容は掲載時の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

サウナ室前のサウナハット用ポールや荷物置き

毎週日曜はハーブ風呂。1週間の締めに最高だ