今回は2019年1月に待望のリニューアルオープンを迎えた、豊島区西池袋の「妙法湯」さんをピックアップします。
オープン前から「なにやら凄いことになるらしい」と、椎名町界隈の銭湯ユーザーを中心に話題の的となっていたリニューアルですが、いったい何が凄いことになったのか!? ついにベールを脱いだその全貌を、早速見ていきましょう。
ターミナル駅から郊外へ延びる私鉄の沿線、他に乗り入れ路線が無い各駅停車駅の町って、いいなと思いませんか? 小ぢんまりとした駅前は商店や家々が建ち並び、人々の距離が近くて、この町に暮らす人たちが毎日身近に利用する駅なのだと、改めて感じさせてくれます。西武池袋線・池袋駅のお隣、妙法湯さんがある椎名町駅の周辺も、駅に降り立てばアットホームな雰囲気が目の前に。山手通りの高架をくぐって路地を進むこと約2分、町の人々を毎日身近に温め続けている妙法湯さんのエントランスが見えてきます。
「妙法」という言葉には『巧妙な手段』『うまい方法』という意味があるそうです。また、妙法湯さんの公式Twitterでは『完璧』という意味もあると、3代目ご主人の柳澤幸彦さんが記しています。
すっきりとしたエントランスは木や石、ガラスやファブリック、光と陰影、直線的なデザインで設(しつら)えた有形無形の素材の良さが引き立っています。直感的に「綺麗でわかりやすい」ことにこだわったというエントランスは、オープンな気持ちでいつもゲストを迎えたいというご主人の、素直な気持ちの現れだと感じられます。こんなエントランスだったら、初めて訪れるお客さんにもわかりやすいですよね。ドキドキせず、ワクワクしながら暖簾をくぐれます。
踏み込みから一段上は(おっ、フローリングか)と思って上がってみたら、なんと木とは違う触感が! 滑りそうで滑らない、硬そうで柔らかい。なんとも不思議な触感の床材は、ご主人こだわりのベルギー製新素材。この肌触りはクセになります! この床材がフロントロビーまで続いています。取材とはいえ、一応他人の目もありますから、筆者は頬ずりはやめておきました……。それほど触れたくなる床材です(笑)。
日中のフロントロビーは外光がふんだんに入って、明るく健康的。この雰囲気ってとても大事ですよね。ついつい他のお客さんとおしゃべりしたくなったり、フロントのご主人や女将さんと言葉を交わしたくなったり。そう、銭湯って明るくて健康的な場所なのです!
そしてフロントには明るくて健康的を地で行くご主人、妙法湯3代目の柳澤幸彦さんが。
「キレイになりましたね! 経営者の人柄が出ていますね」
「まったまた~……だろっ?(ニヤリ)」
こんな調子で誰とでも朗らかに接してくれるご主人曰く、「とにかくいろいろこだわった」というリニューアル最大のポイントは「水なんだよね、水」とのこと。
エントランスからロビーまで続く白木調の綺麗なイメージは、脱衣場にもつながります。
ロッカーはサイズが大小あって便利ですね。大荷物の日も安心です。ご近所さんは籠かな? 男女とも、優れものの高機能マッサージャー、テレビモニターが完備。男女脱衣場は境界壁が可動式なので、イベント時はつなげて広い空間にアレンジすることができます。
実際にリニューアル後、豊島区のオモシロイ人や活動を紹介し交流する「としま会議」というイベントがこの脱衣場で開催されています。今後も積極的にさまざまな地域の活動の場として提供したい、とご主人。
では、早速お風呂へ。
(後編に続く)
(写真・文:銭湯ライター 佐藤明俊)
【DATA】
妙法湯(豊島区|椎名町駅)
●銭湯お遍路番号:豊島区 14番
●住所:豊島区西池袋4-32-4
●TEL:03-3957-8433
●営業時間:15~25時
●定休日:月曜
●交通:西武池袋線「椎名町」駅下車、徒歩2分
●ホームページ:http://www.angelrock.jp/myouhouyu/
●Twitter:https://twitter.com/104087
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