JR鶯谷駅から徒歩3分の好立地にある萩の湯。2015年2月末より休業していたが、2017年5月29日(月)「ひだまりの泉 萩の湯」として、いよいよリニューアルオープンする。
今回のリニューアルでは、老朽化したビルを建て替えて新たに浴室を3階と4階に設けたほか、1階にはコインランドリー、2階には飲食スペースを設けた。浴室は3階が男湯、4階が女湯だ。
萩の湯の経営者、長沼雄三さんは、以前は上野にある寿湯を経営(現在は弟さんにバトンタッチ)。当初はお客さんが減少傾向にあった寿湯を、現在では東京で一、二を争うほどの人気銭湯に押し上げた、業界注目の経営者だ。その長沼さんが満を持して萩の湯をリニューアルオープンするわけだが、リニューアルのコンセプトについて次のように語る。「敷地をフル活用し、1フロアごとに男女の浴室を分けることで、広い浴室とお風呂を提供したかったんです。20年ほど前に大阪の健康ランドを利用した際、今後銭湯をやるとしたらこれだなと、ずっとアイデアを温めていました」
期待とともに4階の女湯の浴室に足を踏み入れると……、ひっ、ひろい! まさに息を飲むほどの大きさ。通常の銭湯の男女浴室をぶち抜いたくらいの広さがありそうだ。
浴室奥に描かれたピンク色の富士山は、女性ペンキ絵師の田中みずきさんの手によるもの。女性らしい繊細な筆使いが印象的だ。その富士山の下には炭酸泉の湯船。長沼さんが「おそらく銭湯では都内最大」というだけあってとても広い。現在、銭湯で大人気の炭酸泉はお湯の温度がぬるく、長居ができるため、湯船が空くのを待つ状況になることもある。しかし、この炭酸泉の湯船なら10名以上入っても余裕がありそうだ。また、独立したさら湯の広い湯船には、電気風呂、各種ジェットがずらりと並ぶ。
外気が気持ちよい露天の岩風呂も大きい。お湯は「光マイクロバブル湯」で洗浄効果や温浴効果にすぐれている。岩風呂の傍らには木々が植えられており、都会にいることを忘れさせてくれる。サウナも広く、30名ほど入れそうだ。
女湯の特徴としては、軟水風呂があるほか、塩サウナも用意されている。
次に3階の男湯へ。浴室の正面に描かれたペンキ絵は定番の富士山ではなく日本画風だ。ペンキ絵では珍しい金色を使っており、見る場所によって光の輝きが異なるのがおもしろい。
炭酸泉、さら湯の湯船、露天の岩風呂などは4階の女湯とほとんど同じだが、男湯には高温の湯船と大きな水風呂が用意されている点が異なる(その代わり塩サウナと軟水風呂は女湯のみ)。
2階の「食事処こもれび」も銭湯併設の飲食スペースとしては都内屈指の規模で、酒のつまみから、麺類や定食まで幅広いメニューをラインナップ。皮から手作りというジャンボ焼売(400円)と餃子(390円)、こもれびラーメン(700円)、根岸担々麺(750円)、ローストビーフ&サラダ(600円)、旨辛麻婆飯(780円)など気になるメニューが目白押しだ。
浴室や湯船の広さ、そして充実した設備。食事処からも経営者の並々ならぬ意欲が伝わってくる。「大きい風呂なので、子どもたちも楽しめると思います。食事処ではおいしいものをいろいろ用意しているので、ぜひ利用してください」と長沼さん。
人気銭湯に育て上げた経営者のノウハウがふんだんに盛り込まれた「ひだまりの泉 萩の湯」。銭湯屈指の規模と設備でオープンした同店も、寿湯同様に人気を集めるに違いない。
根岸はこの地を愛した俳人・正岡子規の旧居、落語家・林家三平ゆかりの品々を展示する「ねぎし三平堂」、書道博物館など史跡や名所も多い。町歩きとセットで出かけてみてはいかがだろうか。駅から近いので会社帰りにもぶらりと立ち寄りやすい。
なお、5月29日(月)はオープニングイベントとして、オリジナルタオルを先着1500名に配布する。
(写真・文:編集部)
【DATA】
ひだまりの泉 萩の湯(台東区|鶯谷駅)
●銭湯お遍路番号:台東区 5番
●住所:台東区根岸2-13-13
●TEL:03-3872-7669
●営業時間:2017年5月29~31日は11~25時(最終受付24:30)
6月1日より朝湯開始 6~9時(最終受付8:30)、11~25時(最終受付24:30)
「食事処 こもれび」は11~23時(ラストオーダー22:00)
●定休日:第3火曜日
●交通:山手線「鴬谷」駅下車、徒歩3分
●ホームページ:http://haginoyu.jp/
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