「銭湯で働きたい」「銭湯を経営してみたい」と考えている方を対象に、銭湯経営や仕事の魅力を伝えつつ、実際の業務を体験してもらい、将来的に銭湯での就業につなげることを目指す、「第4回 銭湯の担い手養成講座」の「ステージ3」が2024年11月に開催されました。
この「ステージ3」は、フロントでの接客、緊急時の対応など、実際の営業に必要な知識を実践的に学ぶ内容です。「ステージ2」の修了者の中から12名の受講生が申し込み、11月1日~4日の4日間、各実施日に3名ずつ参加しました。講師は「ステージ1」「ステージ2」に引き続き、今回の講座の会場となった「立川湯屋敷 梅の湯」オーナーでもある佐伯雅斗(まさとし)さんが務めました。
充実した設備と1万2000冊以上のマンガの蔵書でも知られる立川湯屋敷 梅の湯
バックヤードの見学では、バーナーでお湯を沸かす一連の仕組み、ろ過装置、塩素消毒の仕組みなどについての説明を受け、浴室や脱衣場の見学では、入浴客の体調不良時の対応を学んだほか、地震や火事が起きた時など緊急時の避難経路の確認も行いました。
バックヤードでお湯を沸かす仕組みを学ぶ
機械室に設置された貯水タンクを覗き込む
排水溝に溜まった髪の毛などを取り除き洗う
機械室でお湯のろ過や塩素消毒について学ぶ
緊急用扉を開放し、急病人の搬出経路を確認
施設の見学後は実際の接客を行うために、ロッカーキーと下足札を交換する際の細かいルールや電子マネーの決済方法を学んだほか、サウナにマットを敷いたり貸し出し用タオルをたたんで開店に備えました。
梅の湯ではフロントで下足札とロッカーキーを交換する
開店前に貸し出し用のタオルをたたんで準備
15時に開店すると、押し寄せたお客さんを佐伯さんが手際よくさばいていく様子を見学し、人の流れが落ち着いたところで、受講生がフロント業務に挑戦。
下足札とロッカーキーを交換するシステムは、空きロッカーの数や貸し出しタオルの管理ができる便利なシステムですが、支払い方法が入浴チケット、共通入浴券、電子マネーと多岐に渡る上、レンタルタオルやサウナセットの貸し出しなどと重なることもあります。受講生は接客に慣れないこともあり、最初は下足札とロッカーキーの受け渡しに戸惑う場面もありましたが、佐伯さんのサポートを受けながら3時間の接客をこなしました。
こうして、11月1日~4日の4日間、3名ずつ参加して開催されたステージ3は無事終了しました。
実際の接客に挑戦
ステージ3を修了した受講生の情報は、銭湯の借り手や働き手を求める都内の銭湯経営者が閲覧できる「担い手情報サイト」に登録され、銭湯への就労機会へつながる仕組みです。
これまでの担い手講座修了者を対象に、賃貸銭湯物件の内覧会も開催されており、2024年には講座修了生の中から銭湯を経営する人も出ています。銭湯への就労を目指す人は、ぜひこの講座にご参加ください。なお、今後の「銭湯の担い手養成講座」については、詳細が決まり次第、ホームページやSNSで告知します。
銭湯の担い手養成講座の特設サイト:https://www.1010.or.jp/ninaite/