東京都内の銭湯では、5月5日（日祝）の「こどもの日」に恒例の「しょうぶ湯」を実施します。
古くからショウブのさわやかな香りは邪気を払い、心身を清めるものとして、人々は軒に飾ったり、枕の下に敷いて眠ったりして無病息災を願いました。武士の時代には「ショウブ」＝「尚武」として、端午の節句に男子の成長を祝う行事に用いられるようになりました。ショウブの葉を湯船に入れる「しょうぶ湯」の起源も古く、室町時代に始まったとする文献も見られます。
ショウブに含まれるアサロンやオイゲノールという精油成分には、血行促進・強壮・免疫力向上などの作用があり、抗感染力を高めます。ショウブのさわやかな香りもこうした成分によるもので、夏に向けて暑くなるこの時期に、お風呂にショウブを入れて呼吸器や皮膚からこれらの成分を取り込み、様々な病気を未然に防ぐ、という昔の人々の知恵は現代も生きているのです。
季節の変わり目で体調を崩しやすいこの季節、銭湯の広い湯船でしょうぶ湯につかり、無病息災を願い、子どもたちの健やかな成長を祈る、日本の伝統行事を体験してみませんか。
当日は入浴料金の割引や飲料のプレゼントなどを行う地域もあります。詳しくは地域別銭湯情報をご覧ください。
なお、定休日等で実施日が異なる場合がありますので、ご利用の銭湯にお問い合わせください。
銭湯の場所は、東京銭湯マップから探せます。
