2022/12/26

トピック

「銭湯で働きたい」「銭湯を経営してみたい」と考えている方を対象に、銭湯経営や仕事の魅力を伝えつつ、実際の業務を体験してもらい、将来的に銭湯での就業につなげることを目指す、「第2回 銭湯の担い手養成講座」の「ステージ3」が2022年11月に開催されました。

このステージは、お湯を沸かす仕組みやフロントでの接客、緊急時の対応など、実際の営業に必要な知識を実践的に学ぶ内容です。受講生は「ステージ2」に参加した方の中から抽選で選ばれ、11月下旬の3日間、各実施日に2名ずつ計6名が参加。講師は「ステージ1」「ステージ2」に引き続き、今回の講座の会場となった「立川湯屋敷 梅の湯」オーナーでもある佐伯雅斗(まさとし)さんが務めました。

充実した設備と1万2000冊以上のマンガの蔵書でも知られる立川湯屋敷 梅の湯

 

浴室や脱衣場の見学では、お湯や排水が流れる仕組み、入浴客の体調不良時の対応を学んだほか、地震や火事が起きた時など緊急時の避難経路の確認も行いました。

浴室を見学しながらお湯や排水の流れを学ぶ

 

バックヤードでは、設定した時間になると自動的にボイラーが点火して湯を沸かし、浴槽へお湯がたまる仕組みや、排水の温熱を利用することで燃料代の節約に役立つ温水器、お湯を循環させてきれいにするろ過器、塩素添加の重要性などについての説明を受けました。ヘアキャッチャーに溜まった大量の髪の毛やゴミの固まりを見て、受講生が驚きの声を上げる場面も。

人手を省くために全自動化されたシステムの説明を受ける

 

機械室でお湯の濾過や塩素消毒について学ぶ

 

地下の機械室に設置された巨大な貯水槽を覗き込む

 

施設の見学が一通り終わった後はフロントへ。大量の貸し出し用タオルをたたみ、サウナ室にはマットをセット。フロントでは、ロッカーキーと下足札を交換する際の細かいルールや電子マネーの決済方法を学びました。

決済方法や鍵の受け渡しルールについて学ぶ

 

開店前にサウナマットを設置

 

大量の貸しタオルをたたんで開店に備える

 

開店直前に入浴剤を投入

 

午後3時に開店すると、まずはどっと押し寄せたお客さんを佐伯さんが手際よくさばいていく様子を見学。人の流れが落ち着いたところで、佐伯さんの助けを借りながら受講生が実際にフロント業務に挑戦しました。

開店直後の混み合うフロント

 

梅の湯では下足札とロッカーの鍵を交換するシステムに細かいルールがあるほか、券売機のチケット・現金・無料クーポン・入浴券・電子マネーなど決済方法もさまざまで、受講生はお客さんをさばくのに一苦労の様子。講座開催日は、利用者が特に多い週末で、なおかつ開店直後は来客が集中しましたが、佐伯さんのサポートを受けながら受講生は3時間の接客をこなし、3日間に分かれて実施された講座はいずれも無事修了しました。

ステージ3を修了した受講生の情報は、銭湯の借り手や働き手を求める都内の銭湯経営者が閲覧できる「担い手情報サイト」に登録され、銭湯への就労機会へつなげる仕組みです。これまでの講座修了生の中から銭湯の担い手が登場することが期待されます。今後の「銭湯の担い手養成講座」については、詳細が決まり次第、ホームページやSNSで告知します。

「銭湯の担い手養成講座」の特設サイト:https://www.1010.or.jp/ninaite/