2019/11/11

トピック

【ストーリー】
両親を早くに亡くした20歳の宮川澪は、祖母・久仁子と2人で長野県の湖畔の民宿を切り盛りしていたが、祖母の入院を機に民宿をたたみ、東京へ出ることになった。銭湯を営む父の親友を頼りに上京したが、仕事探しに苦戦するうちに、澪は居候先の銭湯を手伝うようになる。個性的な常連客や昔ながらの商店街の人たちと交流するうちに、都会暮らしの楽しさを見出し始める。そんなある日、銭湯が区画整理のために閉店し、なくなってしまうことを聞かされた澪は、ある決意をする――。

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発展や再開発の名のもとに、古いものが次々と消えていく何気ない日本の風景を、現代を生きる若者の姿とともに丁寧に描いた、切なく愛おしい作品だ。

撮影スタッフは銭湯で働くシーンをリアルなものにするために、豊島区内にある実在の銭湯で深夜に働いて掃除などの技術を習得したという。銭湯に象徴されるように、映像の随所からスタッフの熱意と意気込みが伝わってくることだろう。

なお、ロケ地となった清瀬市の伸光湯は、映画のストーリーとリンクするかのように現在休業中だ。長年人々に親しまれてきた伸光湯の営業風景が、スクリーンに蘇る点も注目。

主演はTBS日曜劇場『この世界の片隅に』の情感あふれる演技で存在感を放った松本穂香。監督は、フランスの一流映画誌カイエ・デュ・シネマからその鋭い感性を絶賛され、前作『四月の永い夢』がモスクワ国際映画祭で2つの賞を受賞した中川龍太郎。

 

【詳細】
映画『わたしは光をにぎっている』
公開日:2019年11月15日(金)
監督・脚本:中川龍太郎
出演:松本穂香/渡辺大知/徳永えり/吉村界人/忍成修吾/光石研/樫山文枝
公式サイト:http://phantom-film.com/watashi_hikari/

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