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銭湯の歴史日本編 1
風呂の始まりは、寺院の施浴



資料写真  6世紀に渡来した仏教は、聖徳太子の積極的な導入政策もあり、国家宗教へと急速に成長しました。

 その仏教では、沐浴の功徳を説き、汚れを洗うことは仏に仕える者の大切な仕事と考えました。

 「温室教」という沐浴の功徳を説いた経文もあります。それには、入浴に必要な七物(燃火(ねんか)、浄水、澡豆(そうず)、蘇膏(そこう)、淳灰(じゅんかい)、楊枝(ようじ)、内衣(ないい))を整えると七病を除去し、七福が得られると記されています。

 寺院では七堂伽藍の1つに浴堂を数え、施浴が盛んに行なわれました。奈良の東大寺や法華寺には、今でも大湯屋や浴堂が残っており、当時の名残りをとどめています。家々には浴室もなく、町湯もなかった時代、寺院の施浴は、宗教的意味だけでなく、庶民にとっても、うれしい施しであったわけです。施浴によって、庶民は入浴の楽しみを知ったせいでしょうか、平安時代の末には京都に銭湯のはしりともいえる湯屋が登場します。

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